健康コラム
なかなか取れないその疲れ「脳疲労」?
休日にしっかり休んだのに疲れが取れない、全身がだるいと感じたことはありませんか?疲労といっても仕事・人間関係・運動・育児など、いろいろな疲れがありますが、その原因は、体ではなく“脳”にあるかもしれません。肥満、認知症や過労死の原因になる恐れが‥‥。
≪ 脳疲労とは ≫
“脳が疲れて、正常に機能しなくなっている状態”です。
筋肉痛と同じで、脳を使いすぎることで、脳に炎症(活性酸素)を蓄積させてしまい活性酸素が溜まり「酸化ストレス」の状態になり、「酸化ストレス」は脳の神経細胞を傷つけるため、脳にとっては大敵であり、全てのからだの機能を司る自律神経が「酸化ストレス」にさらされることで、身体の不調を起こす引き金となってしまいます。

人間の脳には大脳新皮質と大脳辺縁系という司令塔があり、自律神経中枢や食欲中枢を司る間脳があります。その3つの関係性は、人間の体を機能させる高度情報処理システムと言えます。
この脳の状況を簡単に「脳内ファミリー」に置き換えてみましょう。
大脳新皮質(父親)・大脳辺縁系(母親)・その両親の指示を受けているのが自律神経の中枢である間脳(子供)です。カラダという自転車に3人乗りして自転車(体)を上手に乗りこなして進んでいるようなものです。

もし、「もう休みたい」というお母さんに対して、お父さんが「休んではダメだ!」「もっとこげ!」と命令を出しつづけたとしたら・・お母さんは疲れ果てて動かなくなってしまいます。夫婦仲が悪い家庭では子どもはどうしていいのか分からなくなり、心とカラダに不調を起こしてしまいます。
この脳内ファミリーの不和が脳の機能低下であり、この状態を「脳疲労」と呼んでいます。
 脳疲労の原因のひとつ
高度に発達した情報社会の中で、インターネットやスマートフォンの普及により、情報が光の速さで飛び交い、現代人が1日に触れる情報量が増加しているからです。
 脳疲労の3大サイン「飽きる」「疲れる」「眠くなる」
全身がだるい、ボーッとする、作業に飽きてしまった、作業効率が落ちる、眠くなってきた、疲れが抜けないといったときは、脳が疲れているサインなのです。
同じ作業を続けていると、脳内で同じ神経細胞の回路が使われるため活性酸素が発生し、その神経細胞がだんだん酸化し、酸化が進むと修復が困難になるため、脳が「違う神経細胞を使え」と指示を出し、「飽きる」のだといいます。
別の作業で脳の使う場所を変えることがおすすめです。
 うつや認知症
脳疲労が蓄積されるとうつや認知症といった精神、神経の障害を引き起こし、不安、イライラ、気持ちが沈む、考えがまとめられない、否定的になるという状態になります。また、頭痛や倦怠感(だるさ)、めまい等も見られるようになります。
 生活習慣病への罹患
脳疲労の初期症状は便秘、睡眠障害、味覚障害と言われ、まず症状は五感(味覚・嗅覚・触覚・視覚・聴覚)に出てくることが多いです。そのため、食事を食べてもおいしくなく、今までよりも味付けが濃くなり、そうなれば塩分や糖分の摂取量が増え、糖尿病・高血圧・肥満などの生活習慣病へと結びついてしまいます。
≪ 脳の健康のため習慣 ≫

■ボーッとする時間をつくる

1日5分でもよいので何もせずボーッとしましょう。
少し外に出て自然の変化を感じながら脳を休ませましょう。

■適度に身体を動かす

激しい運動は逆効果。ストレッチ、ウォーキング、ヨガ、マッサージなどは全身の血流を促して、疲労物質を取り除く効果があり、リラックスもできちょっとした気分転換にもなります。

■背筋を伸ばし、ゆっくりと深い呼吸

パソコンやスマートフォンを使うと、猫背になりやすく背中が曲がっていると、呼吸が浅くなり、脳へ十分な酸素を送ることができません。
背筋を伸ばしたら、肩の力を抜いてリラックスして、5秒くらいかけて鼻から吸い込み、口・鼻のどちらからでもいいので10秒から15秒くらいかけてゆっくり吐き出します。

■小まめに小休憩をとる

作業中、車の運転中など脳疲労サインがでたときは酸欠状態でもあるため、歩くことで血液を巡らせ、脳まで酸素を運んでリフレッシュさせてあげましょう。
1時間ごとに5分ずつ休息をとりましょう。
トイレに立つ、ちがう作業に取り替えるなど、気分転換をしてみるのが良いでしょう。

■夕食は寝る3時間前までに

夕食の時間も睡眠に大きく影響しています。夕食は、寝る最低3時間前に済ませましょう。胃に未消化の食べ物が残ったまま眠ると、睡眠中に体は消化に力を使い、疲労回復に十分な力を発揮できません。

■入浴は寝る1~2時間前にぬるま湯で

38℃~40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かることにより副交感神経が刺激されて、睡眠前のリラックスに効果的です。また、血行がよくなって老廃物を排出することができます。

■脳によい栄養素を摂る

良質なタンパク質、ビタミンB群、鉄、オメガ3系の脂質(DHAやEPA)を食事でバランスよく摂りましょう。
◉ 酸化ストレスには「イミダペプチド」鶏肉・マグロ・カツオ
◉ 柑橘系に含まれる「クエン酸」レモン・グレープフルーツ・梅干し・酢など
◉ エネルギー代謝を高める「ビタミンB群」豚肉・うなぎ・玄米・レバー・納豆・卵

■寝室を暗くする

目の視神経はとても弱い光にも反応し、脳を活性化させ、眠りを浅くします。まぶたを閉じていても、携帯を充電している時に光る小さなライトやテレビの主電源の赤い光などにも反応します。電気機器は寝室に持ち込まない、主電源から切るなどで対応しましょう。
遮光カーテンをつけるなどして、寝室を真っ暗にするように環境を整えましょう。アイマスクもおすすめです。

■パソコンやスマホは寝る1時間前にストップ

脳を刺激して、覚醒を促すブルーライトを発するパソコンやスマートフォンは、寝る1時間前から使用をストップしましょう。ゆっくり本を読むなどして、脳を眠るモードに導きましょう。

■睡眠は量より質

睡眠中には日中使われている脳細胞が休まり、全身の新陳代謝・疲労回復とメンテナンス作業が行われています。入眠前の環境、快適な睡眠環境を整え、ぐっすり眠って朝日でシャキっと目覚める、そんな質のよい睡眠が自律神経の疲労を回復させるには大切です。
イライラやストレスから解放され「今日も一日疲れたな」そんな口癖の一言から、「充実した一日だった」と思えるように、日常生活の中で「疲れにくい脳」を整えていくのが良いでしょう。無理のないように生活習慣の改善を心掛け、日常生活の質を上げていけたらいいですね。